どうやらいま、世の中ではサスペンスモノの本が流行っているようで、ヨメもタマに図書館でそのテの本を借りてきては読んでいます。
ふだん、読書はまったくしない私ですが、ココはひとつ流行にノって、サスペンス小説のひとつでも書いて本気で作家デビュウを目指してみようと、短編を一本仕上げてみました。
読まれたかたは、ゼヒご感想などお聞かせください。
タイトル 『矯正ブリッジ』
その刃先は、愛した男に向けられていた。
人びとが
極めて特徴的な方言を話すことを除けば、ごくありふれた平凡な町の一角、比較的裕福なことを誇示するかのように大きな家々が立ち並ぶ閑静な住宅街。
およそ事件とは無縁に思えるほど穏やかな空気が流れるそのエリアに建った家の中で、女の震える両手に強く握られた文化包丁のその刃先は、愛した男に向けられていた。
男は平静を装いながら、努めて穏やかに女を説得しようとしたが、発せられる言葉には、刃物を向けられたことに対する緊張が見て取れた。
「お、落ち着くペンス。
お前とおれは、ケンカもしたけど一つ屋根の下暮らしてきたペンスよ?
お前のことだけは、一日たりとも忘れたことなどなかったおれだペンス。」
この男の話に、女が応じ、しばらく口論がつづいた。
「よく言うわ!
いつも騙してばかりで!
私が何にも知らないとでも思っているペンス?」
「よく言うよ!
惚れたお前の負けだペンス。
モテない男が好きなら、おれも考え直すペンス。」
「馬鹿言ってんじゃないわ!」
「馬鹿言ってんじゃないよ!
で、その包丁をどうするつもりペンスか?」
「決まってるペンス!
コレでアナタを、
刺すペンス!」――『おれが考えたサスペンス』――おわり
- 2008/01/29(火) 23:06:09|
- おれの考えた◯◯|
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コメント:5
あー、この歌を結婚直前にダンナと一緒に歌ったなあ。
懐かしい。
で、この男は両手をついて謝っても許してもらえなかったのでペンスか?
きゃー。
- 2008/01/30(水) 22:11:06 |
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- ふみ #-
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たぶん 刺されたペンスね。最近はぶっそうな事件が多いから気をつけましょうペンス。
- 2008/01/30(水) 23:33:32 |
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- カエ #-
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ふみさん。
私もケッコンする前、この歌をよく熱唱していました。
小学生のころですが。
このオトコが両手をついて謝ったかどうかはわかりませんが、遊ばれてるのをわからないかわいそうなオトコだということは確かのようです。
カエさん。
たしかに最近物騒な事件が多いようです。
このブログの更新が完全になくなったら、私がヨメに刺されたということなので、ケーサツに通報してください。
さおりんさん。
たぶん、山手のほうです。
おささん。
次回作はヨコハマで暮らす中学3年生の日常を描いた、
「ハマの中3トリオ」
を予定しています。
ご期待ください。
- 2008/02/01(金) 23:11:27 |
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- 信 #Qo5l1wbk
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