きょうは、最近日本でもかなり人気がある「キール」というカクテルのお話をしたいと思います。
「キール」は、もともとフランスのブルゴーニュ地方の首都的な街、ディジョンで生まれたカクテルで、ブルゴーニュ地方といえばご存知のように質のよいワインの産地として世界的に有名なのですが、黒スグリ、つまりカシスのお酒の生産も盛んな場所でもあるのです。
しかし、ワインと比べて、カシスのお酒のほうはなかなか思うように売れなかったということがあり、そこで、ワインもカシスのお酒もどちらも飲んでいただけるように考えだされたのが、カシスのお酒を白ワインで割る飲み方、つまり「キール」というカクテルです。
その「キール」のつくり方ですが、日本では大体、グラスの中にカシスのお酒を、そうですね5分の1ほど入れまして、その上から白ワインを、残りの5分の4ほど注ぐことで、グラスの中で両方のお酒が丁度よく混ぜ合わさり、わざわざ器具を使わずにグラスだけで簡単に完成する、というつくり方が一般的です。
これが本場のディジョンで「キール」を注文いたしますと、日本とは少々違うところがあります。
まずグラスですが、日本でいうブランデーグラスのようなグラスを使います。
これは、ワイナリーなどでワインのテイスティングのときに用いるグラスで、こんなところでもワインの産地という雰囲気を感じることができます。
このグラスにカシスのお酒を入れて白ワインで割ってゆくわけですが、カシスのお酒の割合が日本のものよりもかなり濃い目につくるところが特徴的です。
これは、先ほどお話したように、もともとカシスのお酒を売る、という目的から生まれた飲み方であるために、使う量が多くなっているという背景があるようです。
割合で言いますと、日本では5分の1ということはお話しましたが、ディジョンの濃い目の「キール」は、そうですね…えー、1:4くらいの割合。カシス1に対して白ワイン4、くらいの割合になります。
味のほうはといいますと、日本でいただく割合のものもおいしいのですが、この濃い目の飲み方も、カシスの味がしっかり利いていて、それでいて白ワインの上品な味も残っているので、その割合の違いを愉しまれてはいかがでしょうか。
皆さんもバーなどで「キール」を注文されるときには、「1:4の割合で。」と、ひとこと付け加えて注文されてみるのも、なかなかオシャレ、ではないかと思います。
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