ナゼか昨日、1987年ごろに巻き起こった『
アグネス論争』について書かれている、インターネット上のサイトを何件か読んだ。
忘れているヒト、若しくは知らないヒトのためにこの『アグネス論争』を要約して説明すると、
当時出産のためにテレビ番組などの出演を休止していたタレントのアグネス・チャンさんが活動を再開するにあたり、彼女の育児方針から、出産したばかりの長男を各仕事場に(仕事相手の許可を得て)連れて行ったことに、作家の林真理子さんをはじめとした著名人が「オトナの世界に子供を連れてくるな」と、雑誌などで批判したことで、それまでのニホンにはあまり馴染みのなかった「子連れ出勤」という価値観の是非を問うカタチで巻き起こった論争
といったカンジか。
1987年当時、中学生だった私にさほどキョーミをソソらせることのなかったこの一連の「論争」を、20年経った今、改めて読んでみると、たった20年の間にこのニホン社会が大きく様変わりしていることに驚き、キョーミ深いと感じた。
もし2007年現在のニホンで、どこぞのタレントが自分の子供を連れてテレビ局へ仕事に行ったとしたら、これほど騒がれるだろうか。
ましてや著名な作家が、それを批判するために原稿を執筆するということは、ちょっと想像もつかない。
フツーなら「テレビ局が許可してんだからいいんじゃね?」ってくらいのことで済まされるはずである。
「社会性」という価値観から逸脱している(ように見える)モノは即ち「悪」であるという風潮があったのであろう20年前のニホンから、「個性」という価値観を尊重するようになった現在へと移り変わっているということだと思う。
どちらがいいとか悪いとかいうのではなく。
それから、「子連れ出勤」とは直接関係はないが、「アグネス批判派」の中野翠さん(作家)の批判文の中で、「喫茶店」とは「おとながタバコを吸うところ」的なことが書かれている。
2007年現在のニホンの喫茶店で、1987年当時の中野さん的感覚のままタバコをふかしている「おとな」がいれば、文字通り煙たがられることはまず間違いない。
「タバコ」に対する価値観もこの20年(ここ5、6年ほどか)の間に大きく変わっていることを読み取ることができるトコロがヒジョーに面白い。
『アグネス論争』から20年。
今や働く母親(父親)が「職場に託児所を。」と要求することがそれほど突拍子もないことではなくなっているのは、もしかしたらテレビ局に子供を連れて行ったアグネス・チャンさんや、彼女を批判することで「論争」にまで昇華させた、林真理子さん、中野翠さんらのおかげかもしれないと感じたのである。
- 2007/01/30(火) 23:51:58|
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アグネス論争アグネス論争(アグネスろんそう)は、1987年に歌手・タレントのアグネス・チャンが第一子を出産した後、番組に復帰するために乳児を連れてテレビ局に出勤したことがマスコミに取り上げられ、「子連れ出勤」の是非について巻き起こった論争。日本の働く母親、女
- 2007/02/07(水) 23:57:51 |
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